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COC事業【麒麟の知(地)による学生教育プログラムの開発・展開】

プロジェクト研究

鳥取に体験型子ども科学館を

担当教員/足利 裕人特任教授

鳥取県には、遊びながら身体を使って科学を学べる科学館がありません。そこで本プロジェクト研究では、「鳥取に体験型子ども科学館を」をテーマとして、県立博物館・海と大地の自然館・かにっこ館・佐治アストロパークなどを訪問し、また、全国の子ども科学館の特徴や使命・役割等を調べ、鳥取にふさわしい科学館の在り方を分析しました。プロジェクト研究発表会では、鳥取市の科学館の問題点などをまとめ、子どもが科学に興味をもつためのプロセスなどを提案しました。

かにっこ館見学の様子かにっこ館見学の様子
プロジェクト研究発表会の様子プロジェクト研究発表会の様子
智頭じげ料理教室の企画化

担当教員/磯野 誠教授

本プロジェクト研究は、鳥取県東部の中山間地に位置し、歴史を含めた豊富な観光資源を有する智頭町で、資源の一つとしての智頭の郷土料理(じげ料理)の作り方を学び、それを智頭町観光サービスとして企画し、その過程を通してマーケティングを実践的に学びました。プロジェクト研究発表会では、観光に力を入れている智頭町の観光をさらに促すために、じげ料理教室で「たけのこご飯」を提案、実施したことなどを発表しました。一つのことを完成させるのには、たくさんの人の協力が必要だということを学んだ等の感想が聞かれました。

料理教室用たけのこご飯紹介文料理教室用たけのこご飯紹介文
発表会の様子発表会の様子
鳥取の海の魅力や課題を地域の人に伝える

担当教員/太田 太郎准教授

鳥取県の魅力の一つでもある「海」。そこには多様な生物が生息し、漁業などを通じ多くの人々が関わりを持って生活しています。本プロジェクト研究では、フィールドワークを通じ「環境の多様性」「生物の多様性」「文化や産業の多様性」を学び、その魅力や現在抱えている問題点について考えました。今年度は「海ごみ」をテーマとし、海ごみに関する世界の動きや、最近話題となっている海洋プラスチックの問題について調査しました。プロジェクト研究発表会では、「とっとり海ごみ掃除ウォークラリー」に参加し、回収したごみの分類調査と参加者へのアンケート調査の結果などを発表しました。

浦富海岸での海ごみ事前調査の様子浦富海岸での海ごみ事前調査の様子
プロジェクト研究発表会の様子プロジェクト研究発表会の様子
商店街の過去と現在を比較しよう

担当教員/倉持 裕彌准教授

商店街の今の姿は、これまでの歴史の積み重ねの結果といえます。私たちは普段その歴史を知ることはないですが、商店街という空間を正しく理解するために歴史に学ぶことは多いです。そこで、本プロジェクト研究では、「新鳥取駅前地区商店街」「智頭街道商店街」「若桜街道商店街」の3グループに分かれて、商店街を調査しました。プロジェクト研究発表会では、各商店街でインタビュー調査し、過去と現在との違いを分かりやすく提示できるパンフレットを作成したことなどを発表しました。

智頭街道商店街のパンフレット智頭街道商店街のパンフレット
プロジェクト研究発表会の様子プロジェクト研究発表会の様子
鳥取県における環境コミュニケーション

担当教員/甲田 紫乃講師

本プロジェクトでは、鳥取県で実施されている環境コミュニケーションを調査・分析することを通じて、環境コミュニケーションとは何かについて考えました。また、鳥取県の環境コミュニケーションについて、「山陰ジオパーク」「星」「鳥取の食」の3グループに分かれ、鳥取砂丘、大江の郷、佐治アストロパークなどを現地調査しました。プロジェクト研究発表会では、新規顧客が多い鳥取県の観光において、リピーターを増やすために、唯一性のある観光資源をアピールする情報発信の必要性などを提案しました。

佐治アストロパーク見学の様子佐治アストロパーク見学の様子
プロジェクト研究発表会の様子プロジェクト研究発表会の様子
鳥取県を対象とした福祉のまちづくりについて考える

担当教員/佐藤 彩子講師

本プロジェクトでは、鳥取県を対象に、非常時を含め、すべての人々が安全・安心に暮らすことができる仕組みづくりを、交通や建築等のハード面と福祉人材の養成等のソフト面から考察し、すべての人が暮らしやすいまちづくりの条件を提案することを目的としました。プロジェクト研究発表会では、「鳥取県の高齢化の現状と課題」「バリアフリー化の現状と改善案」「福祉コミュニティ~認知症編~」の3グループに分かれ、バリアフリーの現状と課題、高齢者体験での経験等について報告しました。

高齢者疑似体験をする学生高齢者疑似体験をする学生
プロジェクト研究発表会の様子プロジェクト研究発表会の様子
鳥取での再生可能エネルギーの活用を考えてみよう

担当教員/田島 正喜教授

本プロジェクト研究では、自分が住む地域(鳥取)での再生可能エネルギーの活用を考える事で、その利点と課題を分析、調査しました。私たちは、バイオマス発電、太陽光発電、水力発電の3グループに分かれてそれぞれの発電について調査を行いました。プロジェクト研究発表会では、各発電施設の見学などを通じて、太陽光発電の地産地消や鳥取市におけるバイオマス発電の可能性について報告しました。

東郷太陽光発電所見学の様子東郷太陽光発電所見学の様子
袋川発電所見学の様子袋川発電所見学の様子
廃鉱山の環境問題~資源開発と負の遺産を考える~

担当教員/門木 秀幸講師

本プロジェクト研究では、県内の休廃止鉱山の歴史、現状、環境対策等について調査するとともに、今後の廃鉱山の対策・活用について検討しました。また、現在も公害防止対策を行っている旧岩美鉱山の抗排水処理施設に見学に行き、過去の歴史や坑道の中の見学を行うとともに、水処理方法、発生する廃棄物の再利用方法について聞き取りをしました。プロジェクト研究発表会では、調査した結果を元に永続的に水処理が必要となる休廃止鉱山の今後の活用方法について提案を行いました。

旧岩美鉱山の鉱排水処理施設旧岩美鉱山の鉱排水処理施設
プロジェクト研究発表会風景プロジェクト研究発表会風景
鳥取の河川・海域水環境を学ぶ

担当教員/山本 敦史准教授

水は生命の源であり、鳥取市はその主な水源を千代川の伏流水に求めいています。水源としての利用に限らず、防災面でも水環境には適切な管理が欠かせません。しかしながら人間が水環境を手に入れることにより、何らかの影響が水環境そのもの、また流域の生態系に及びます。本プロジェクト研究では鳥取の水環境について考えました。プロジェクト研究発表会では、「水環境の現状」「身近な水質」「鳥取における砂浜消失の現状・対策」「鳥取の目指す水環境」の4グループに分かれ、ポスター発表を行いました。

大学近くの砂田川で採水している様子大学近くの砂田川で採水している様子
海岸管理の工事現場を見学している様子海岸管理の工事現場を見学している様子
漫画と文献で読む「魏志倭人伝」

担当教員/浅川 滋男教授
本プロジェクトの目的は、日本の生活を記載する最古の文献「魏志倭人伝」(3世紀)をわかりやすく口語訳することでした。魏志倭人伝といえば、卑弥呼と邪馬台国がまず想起されます。近年の考古学成果を倭人伝と対照するならば、邪馬台国の所在地は奈良県桜井市の纒向(まきむく)遺跡を有力候補と考えざるをえません。一方、朝鮮半島から北九州を経由して邪馬台国に至る行程に「投馬(つま)」という五万戸余りの国があらわれます。これを「於投馬(おづま)」と表す古い版本もあり、いずれも出雲(いづも)の訛音であろうと推定されます。出雲とその周辺の山陰海岸地域は、北九州から北陸方面に移動する日本海航路の中継地点であり、弥生時代における交通と物資流通の要衝でした。その証拠となるのが鳥取市の青谷上寺地遺跡(国史跡)です。そこは、国内外の膨大な遺物に加えて、弥生人の脳や人骨も出土している驚嘆すべき海浜環濠集落であり、マカオや出島など後世の租界島都市を彷彿とさせます。プロジェクトでは、青谷上寺地遺跡の整備室と展示館を訪問して多数の出土品を観察し、発表会での口語訳の参考画像資料としました。また、古代の衣食を再現しました。古代米(赤米・黒米・蕎麦実)の炊飯実験をして弥生土器に盛りつけ食べてみましたし、倭人伝に記された男の「横幅衣」と女の「貫頭衣」を縫製試作し、発表会で身に纏いました。魏志倭人伝はただ邪馬台国のことを記すだけでなく、当時の西日本全体の描写でもあり、山陰も重要な拠点地域であることがよく理解できたと思います。成果として『魏志倭人伝を読む-後漢書倭伝・魏志倭人伝・宋書倭国伝の口語訳-』(内部資料)を刊行しています。

青谷上寺地遺跡整備室見学青谷上寺地遺跡整備室見学
(左)貫頭衣 (右)横幅衣  研究発表会(左)貫頭衣 (右)横幅衣  研究発表会
沿岸域に生息する動植物などを使った新しい地域資源の発掘

担当教員/太田 太郎准教授
美しい鳥取の海岸線の景色は、「自然豊かな鳥取」の象徴ともなっています。私たちは鳥取の海に生息する種々の生物を「水産資源」として活用している一方、この海の恵みを、まだ十分に利活用しきれていない部分もあります。本プロジェクト研究では、鳥取の海、特に沿岸域に潜在的に存在する「地域資源」を発掘するため、岩美町大谷海岸、鳥取市十六本松海岸などで調査しました。また、プロジェクト研究発表会では、「漂着物を利用した新しいレジャーの考案」「鳥取県の海藻を利用する」「磯焼けウニの有効的な活用方法」の3つのテーマで、地域資源の利活用方法の提案をしました。

岩美町での採集活動する学生岩美町での採集活動する学生
プロジェクト研究発表会プロジェクト研究発表会
鳥取県東部の社会教育・生涯学習施設をマスターする

担当教員/川口 有美子准教授
人生において学ぶ期間・機関は、義務教育・高校教育・大学教育だけではありません。「学校の教育課程として行われる教育活動を除いた教育活動」という「社会教育」があり、また、生涯にわたる学習という観点からみた「生涯学習」というものもあります。そして、これらの教育・学習の拠点となる公共の施設が数多く存在します。本プロジェクト研究では、鳥取県東部に所在する当該施設のうち、鳥取市立遷喬地区公民館、岩美町中央公民館、鳥取県立図書館、鳥取県立生涯学習センター、鳥取市文化センターを訪問調査し、生涯学習施設の役割や現状、課題などについて考察しました。

鳥取県立図書館見学鳥取県立図書館見学
岩美町中央公民館見学岩美町中央公民館見学
鳥取の街なかを映像にする

担当教員/倉持 裕彌准教授
本プロジェクト研究では、鳥取市の中心市街地について、課題や魅力を調査し、画像や映像を用いたショートムービーを作成しました。単に映像作品を作るのではなく、文献調査や現地調査によって、中心市街地の特徴や課題、魅力や背景についても学習しながら作品作りを進めました。プロジェクト研究発表会において各テーマで映像を披露し、鳥取市の街中をテーマに撮影した学生からは、「普段は行かないところに取材に行き、鳥取の魅力を感じられた」などの感想が聞かれました。

プロジェクト研究発表会プロジェクト研究発表会
プロジェクト研究発表会プロジェクト研究発表会
鳥取県における環境コミュニケーション

担当教員/甲田 紫乃講師
本プロジェクト研究では、鳥取県で実施されている環境コミュニケーションについて、「観光」「星空舞(鳥取県ブランド米)」「星」「地域活性化」の4つの視点から調査を行いました。「地域と食のコミュニケーション」のテーマでは、隼Lab.・大江の郷自然牧場を現地訪問し、地域と密着し持続可能な社会を目指して行っている様々な活動についてお話を伺い、今後の地域活性に生かせる活動を食に注目して考察しました。

隼Labでのインタビューの様子隼Labでのインタビューの様子
プロジェクト研究発表会プロジェクト研究発表会
鳥取県を対象とした福祉のまちづくりについて考える

担当教員/佐藤 彩子講師
我が国は世界に例を見ないスピードで高齢化が進展しています。これを受けて、2000年には介護保険制度が導入されました。他方、2013年には障がい者差別解消法が制定され、高齢者や障がい者を対象とした法整備が進んできました。本プロジェクト研究では、鳥取県を対象に、非常時を含め、すべての人々が安全·安心に暮らすことができる仕組みづくりを、交通や建築等のハード面と福祉人材の養成等のソフト面から考察しました。プロジェクト研究発表会では、「認知症について」「バリアフリーとまちづくり」「鳥取県の高齢化や福祉の現状」の3つのテーマで報告を行いました。

高齢者疑似体験をする学生高齢者疑似体験をする学生
プロジェクト研究発表会プロジェクト研究発表会
鳥取での再生可能エネルギーの活用を考えてみよう

担当教員/田島 正喜教授
本プロジェクト研究では、自分が住む地域(鳥取)での再生可能エネルギーの活用を考える事で、その利点と課題を分析、調査しました。対象とした再生可能エネルギーによる発電設備は、バイオマス発電、水力発電、風力発電で、それぞれの発電方式について班ごとで研究活動に取り組みました。各発電施設の見学などを通じて、地域資源の活用の可能性について考察しました。

空山風力発電所見学空山風力発電所見学
三洋製紙工場見学三洋製紙工場見学
下下水道場(白帯編)~鳥取の下水道イメージUP作戦~

担当教員/戸苅 丈仁准教授
下水道は臭い、汚いといったイメージを持たれがちです。しかし、下水道は非常に有用なバイオマス資源であり、循環型社会の形成において果たす役割は非常に大きなものです。本プロジェクト研究では、鳥取での下水道の状況や取り組みを調査しました。現地調査として、秋里下水終末処理場などを訪問し、下水処理場でどのように下水が処理され、下水汚泥を処理し、有効活用を行っているのか理解を深めました。最後に、若葉台保育園に行き、園児に対して鳥取市の下水道の素晴らしさについてPRを行いました。

秋里下水終末処理場の見学秋里下水終末処理場の見学
プロジェクト研究発表会プロジェクト研究発表会
鳥取県若桜町等における今後の人口減少対策の推進について考える

担当教員/細野 宏教授
鳥取県や鳥取県東部5市町村の協力を得て実施した、とっとり暮らしアドバイザー等に関係するアンケート調査の実施結果や既存の行政情報や試料を調査した結果を踏まえ、とっとり暮らしアドバイザー等が転入した地域に感じている魅力を、地域内外に発信することで、移住者を増やすと同時に転出者を減らす方策について調査研究を実施しました。また、関連して若桜町と大江の郷自然牧場に現地見学を行いました。
それらの結果を踏まえ次の内容について提案を試みました。

  1. 起業や農林業における就業機会等への支援の充実
  2. 地域振興につながる新たな子育て支援・教育事業等の実施
  3. 若桜学園等におけるとっとり暮らしアドバイザー等による授業の実施を通じて地域の魅力発信
  4. 「小さな拠点」事業の新たな展開などについて提案
若桜町現地見学の様子若桜町現地見学の様子
プロジェクト研究発表会プロジェクト研究発表会