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TUESレポート

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米子市で特別演習B(テーマ:介護問題と支援サービス)を実施しました!

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2025年7月5日から6日にかけて、副専攻「地域実践」科目の1つとして、鳥取県米子市で特別演習B(テーマ:介護問題と支援サービス)を実施しました。本科目は「介護」が抱える課題を座学とフィールドワークを通じて学ぶもので、環境学部生3名が参加しました。キーワードは「遠距離介護」、「ヤングケアラー」、「高齢者の見守り」です。

5日の午前中は、介護保険外サービスとして「遠距離介護」支援サービスを展開する企業経営者の方から、高齢化の現状や仕事と介護の両立に必要な視点等を学びました。お昼には、米子市内の介護施設を訪問し、加齢や病気等により通常の食事をとることが難しい高齢者に提供されている介護食を試食しました。受講生からは、「想像していた以上に美味しかった」「見た目や盛り付けもきれいで、食欲をそそられた」等の感想が出ました。

また、昼食後に施設内を見学し、高齢者の方と交流をしました。最初は何をどのように話しかけたらよいかわからず沈黙が続いてしまいましたが、介護職員の方がゆっくり、はっきりとした声で話しかけており、それを参考にしてコミュニケーションをとれるように努力しました。その後、米子市内で一人暮らしをする高齢者のお宅を訪問し、遠方に住むご家族とスマートスピーカーでビデオ通話をされている様子を見学し、「テクノロジーを用いた見守り」の導入経緯や効果等をインタビューしました。夕食後は、「ヤングケアラー」の方によるオンライン交流会に参加し、仕事との両立に悩みながらも自らの人生を諦めず前向きに頑張る姿に勇気と感動を得ることができました。

これらのフィールドワークを踏まえて、6日午前に成果発表会を実施し、受講生は「遠距離介護」を支援する新しい介護サービスとして「テクノロジーを用いた高齢者の見守り」は有用であるが、認知度が低い、一定のコストがかかるという課題があることから、たとえば自宅での一人暮らしに役立つ安価な機器の貸出、高齢者への定期的な情報提供等が求められることを発表しました。また別の受講生は、「ヤングケアラー」支援の方法として経済的支援だけでなく、家事・学習支援や居場所づくりといった非経済的支援も重要であること、また自身のご家族による介護経験から、「遠距離介護」の場合、介護者も被介護者もそれぞれが余裕を持って日々の生活を送る上で、見守りカメラ等の「テクノロジーを用いた見守り」は有用であること等を発表しました。

「遠距離介護」支援サービスについて説明を頂きました皆様、訪問先の介護施設とそこで暮らす高齢者の皆様、ご自宅を訪問させていただいた高齢者とそのご家族の皆様、「ヤングケアラー」交流会に参加いただきました皆様、本当にありがとうございました。

(経営学部 准教授 佐藤彩子)

座学の様子座学の様子
介護食の試食の様子介護食の試食の様子
スマートスピーカーを通じたインタビューの様子スマートスピーカーを通じたインタビューの様子
意見を出し合い発表資料を纏める様子意見を出し合い発表資料を纏める様子