
公立鳥取環境大学では2年生向け講義「キャリアデザインB」において、毎年、各界で活躍されている社会人の方を講師にお迎えしています。
6月20日は、山崎製パン株式会社より人事本部人材採用部採用課長の中坪由美子様を講師にお迎えし、講義を実施しました。
始めに、これまでの仕事を振り返り、山崎製パンでの仕事の魅力として、日本中どこでも自社製品が扱われていること、老若男女に親しまれる製品を生み出していること、主食の一つであるパンを扱っていることの三点を挙げられました。
また、少子化やその反面で進行する多世帯化といった社会の変化を捉え、新規の事業や商品の開発も欠かせないことを指摘されました。
食品業界の中でも上位に位置する山崎製パンは、食品の生産から販売に至る、製造、物流、卸、販売といった全ての事業を自社で取り扱っているという、業界でも稀有なビジネスモデルをとっています。これらは各工場から生産した商品をその日のうちに全国の消費者に提供するために構築されたものですが、現在では全国に28の工場と20000人近くの社員を擁する規模に成長しているとのことです。
全国の工場には、小売店から得られた反応をフィードバックする営業部門や商品企画部門も同居しており、地域ごとの消費者の嗜好や市場動向を反映した事業を可能にしています。一例として、山崎製パンが開発する年間4000種もの新商品の多くが、各地の工場で生産現場や営業部門の発案によって開発されていることを紹介されました。
講義の最後には、なんであれ学生時代に「やりきった」と思えるものを一つ持つことが大切、とのメッセージを頂きました。
本学学生の出身地は全国各地に広がっており、卒業後は故郷に戻って活躍することを志す学生も多いことから、各地域で商品開発などの業務につく機会が開かれていることは魅力に感じられたことでしょう。講義後の質疑応答では各工場での新商品開発の具体的なプロセスなど、特に新商品開発に関して質問が集まっていました。
また、山崎製パンが取り組んでいる社会貢献の取り組みも紹介されましたが、特に食品ロスなど廃棄物の削減やリサイクルループの取り組みについても関心を集めていました。
※ 「キャリアデザインB」は公立鳥取環境大学の全学の2年生を対象とした必修科目です。自身の適性や価値観と向き合い、進路に関する視野を拡げ、自分自身が目指すべき専門性や能力について考えることで適切なキャリア意識を形成し、目標実現に向けた学修に繋げることをめざしています。毎年、多数の企業や行政機関から講師をお招きし、仕事やキャリア形成について考える貴重な機会をご提供いただいています。

中坪由美子様

寄せられました