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TUESレポート

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国際シンポジウム「世界の廃棄物処理 ~埋立処分の役割と課題~ 」を開催しました

平成29年11月28日(火)、持続可能な農林水産のあり方や廃棄物問題、自然資源を利用したエネルギーの活用など、環境の持続可能性(サステイナビリティ)をテーマに研究を推進している本学の「サステイナビリティ研究所」が実施主体となって、国際シンポジウム「世界の廃棄物処理 ~埋立処分の役割と課題~ 」を開催しました。このサステイナビリティ研究所による国際シンポジウムは2010年から毎年開催しており、今回が8回目の開催となります。

 

今回は開催テーマのとおり、世界の廃棄物処理、特に埋立処分の現状や役割と課題について、300人を超える参加者を迎えて、国際的な見地から講演や話題提供、パネルディスカッションを展開しました。
開会に際して行われた本学・田中勝客員教授によるミニ講義「廃棄物処理と埋立処分」では、世界の廃棄物の埋立処分の現状や、埋立処分に関わる深刻な問題を抱えている発展途上国の事例紹介がなされ、適正な埋立処分に向けた問題提起がなされました。
そしてこれらの役割と課題を明らかにするために、今年度はイタリアから廃棄物埋立の専門家であるパドヴァ大学産業工学部のロベルト・ラガ准教授をお迎えし、イタリアのみならずEU圏における埋立処分の課題への対処法として策定されたガイドラインの紹介、今後の潮流について講演を受けました。

 

また、福岡大学環境保全センターの平田修助教から「埋立処分場からの温室効果ガスと埋立跡地の再利用」をテーマに、埋立てを終了した処分場の先進的な維持管理及び利活用事例の紹介がなされ、本学環境学部の金相烈准教授からは埋立処分前に行う焼却(中間)処理によって生じる焼却残渣(ざんさ)に視点を向けた「焼却残渣を用いた温暖化対策」の事例紹介、そして事業活動に伴い生じる廃棄物の適正管理とマネジメント技術などについて、鹿島建設株式会社安全環境部の米谷秀子担当部長より「ゼネコンの廃棄物マネジメント」をテーマとした話題提供をいただきました。

 

これらの広範にわたる講演や話題提供を受けて、パネルディスカッションへと移行。発展途上国が抱える人口増加と経済発展に伴う廃棄物量の増加への処方箋として、日本をはじめとした先進諸国が適正な埋立処分実現のために果たせる役割などについて議論が展開された後、参加者からも多くの質疑がなされ、参加者全員で廃棄物処理とその役割を考える有意義なシンポジウムとなりました。

 

 

イタリアの廃棄物管理システムを紹介するロベルト・ラガ准教授イタリアの廃棄物管理システムを紹介する
ロベルト・ラガ准教授
熱い議論が交わされたパネルディスカッション熱い議論が交わされたパネルディスカッション