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TUESレポート

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建築・環境デザイン学科 浅川滋男教授編集の『出雲大社の建築考古学』(同成社、660頁)が上梓

出雲大社境内遺跡で三本の杉材が束となった鎌倉時代本殿の宇豆柱(棟持柱)が出土してからはや10年が経過しました。島根県立古代出雲歴史博物館に陳列さ れた本殿跡の出土遺物は今年「重要文化財」に指定されます。2004年度からの2年間、「大社造の起源と変容に関する歴史考古学的研究」と題する科学研究 費助成研究により2度のシンポジウムを開催し、山陰地方における掘立柱建物(弥生~鎌倉時代)のデータを網羅的に集成・分析しつつ、出雲大社境内遺跡大型 本殿の復元に係わる研究を深めてきました。そのシンポジウム以後、5年以上の歳月をかけて本書の編集に取り組み、ついに刊行の日を迎えました。本書は、鳥 取県と島根県で考古学に携わる研究者に加え、建築史学・文献史学の専門家が最新の論考を展開し、出雲大社と大社造(たいしゃづくり)神社本殿の起源と変容 について多面的な考察をめぐらしています。まさに学史に残る画期的大著として、後世に語り継がれるでしょう。

出雲大社の建築考古学