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TUESレポート

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令和5年度地域イノベーション研究センターシンポジウム「大学と取り組む農産物マーケティング」を開催しました

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令和5年7月15日(土)、本学において、地域イノベーション研究センター主催シンポジウム「大学と取り組む農産物マーケティング」を開催しました。当センターは、地域課題の調査・研究成果を広く社会に提供することで鳥取県固有の豊かな地域生活の実現に寄与することを設立趣旨としています。今回のシンポジウムは、当センターの「食のみやこ鳥取づくり連携支援計画」の取り組みの中で見えてきた課題、競合品との差別化や科学的根拠を活用した認知度向上を目指して、効果的なマーケティング、プロモーション方策を探ることを目的として企画しました。

シンポジウムで基調講演を行った(一社)食の安全分析センター 技術課長 酒井 美穂 氏は、宮崎県が行ってきた県産農産物のブランド推進対策において、そのブランドを保証する認証制度「安全・安心」を保証する残留農薬検査や、機能性成分の分析に取り組まれたことを紹介しました。そして調査から得た機能性表示が農産物への特徴付けとなることで、消費者の商品選択肢を増やすことになると説明しました。

また、続いて行われるパネルディスカッションの話題提供として、ウェブマーケティング支援事業を行う(株)リタテラス 代表取締役 村瀬 雄太 氏は、農家が抱える課題等へのサポート(売上・販路拡大の提案、SNS運用代行など)の事例を紹介しました。終わりに、これからの農業で全国から指名される農家・農業従事者になるには、鳥取の地域産品PR、都市型農業と違った農業経営の在り方、持続可能な経営体制を構築することが重要だと語り、話を結びました。

パネルディスカッションでは、鳥取県の農業生産者で本学との共同調査などでも関わりがある(有)田中農場 代表取締役 田中 里志 氏が登壇しました。田中氏は農業の今後の経営安定のためには、①生産能力の拡大 ②生産効率の向上(スマート農業や人材育成) ③農産物の付加価値を上げること、などが重要だと話し、登壇した参加者とともに今後の農業の未来について語り合いました。質疑応答では、「ブランドとは商品に付くものか生産者(メーカー)に付くものか」、「残留農薬調査を生産者はどう思っているのか」などの質問について、講師の方々は丁寧に回答しました。また、参加者からは大学が率先して大学生を地域に連れ出し、地域や生産に関心を持ってもらう教育を行っていることに感心したとの声が聞かれました。

今回のシンポジウムでは、鳥取県東部をフィールドとした本学教員による地域研究成果報告(令和4年度公立鳥取環境大学特別研究費助成による:タイトル以下)も行われ、参加者は、県内の調査・研究事例について知見を深める機会となりました。

番号 学部 氏名 タイトル
報告1 環境学部 山本 敦史 准教授 鳥取県産の食材の化学分析を起点とする地域連携の活性化
報告2 環境学部 角野 貴信 准教授 有機質資材を施用した山田錦栽培田における玄米収量と土壌の関係
報告3 経営学部 竹内 由佳 准教授 農業従事者と地域事業者とのマーケティングによる価値共創
ー「鳥取」というブランドづくりを目指してー
報告4 環境学部 山口 創 准教授 消費者のCSAに対する契約意向と導入に向けた方策

開会挨拶)吉永 郁生 センター長開会挨拶)吉永 郁生 センター長
基調講演)酒井 美穂 氏基調講演)酒井 美穂 氏
話題提供)村瀬 雄太 氏話題提供)村瀬 雄太 氏
パネルディスカッション)田中 里志 氏パネルディスカッション)田中 里志 氏
パネルディスカッション 風景