本学 環境学部環境学科 小林朋道教授が『ヒト、動物に会う―コバヤシ教授の動物行動学―』を上梓しました。
主に動物とのふれあいについて子ども時代も含めた過去の小林教授の体験を、動物行動学の視点も交えながらエッセイ風に書いた著作です。
"動物行動学" とは、進化理論 ー「環境に適応しながら進化してきた」という見方ー を羅針盤にして、"動物の息づかいが感じられるほど動物とふれあい、かつ彼らを理論的に理解していく" という研究手法をとる、動物の行動を研究する生物学の一分野。
岡山県の山間部で育ち、動物と彼らを育む自然に対する愛情や畏敬の念を自ずと身につけた幼少期を経て、動物とふれあうこと・観察することは、当時よりすでに日常だった小林教授。動物行動学の研究手法を体現するような生活からあふれる11のエピソードには、多種多様な動物たちの姿が生き生きと綴られています。
挿絵もすべて小林教授によるもの。様々な年代の忘れられないシーンを切り取った挿絵は 、その場面が想像でき臨場感が伝わってくるようです。ユーモラスな語り口に引き込まれ読み進めるうちに、それぞれの動物たちに共感し、動物行動学にも自然と興味がわいてくる本書をぜひご一読ください。
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『ヒト、動物に会う―コバヤシ教授の動物行動学―』 |
(平成25年2月15日発売、207ページ、新潮新書(外部リンク)) |
目次 |
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はじめに |
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1 |
自転車にからまっていたカラスの話 |
2 |
庭で暮らすカナヘビを追いかけ回した話 |
3 |
街の迷い犬を田舎に送った話 |
4 |
プレーリードッグと一緒に住んでみた話 |
5 |
小さなヒミズに畏敬の念を持った話 |
6 |
土の中の魅惑的な生き物たちの話 |
7 |
「コウモリを連れたタクシー運転手」の話 |
8 |
ドバトは人間をどう認識しているか考えてみた話 |
9 |
アカネズミが食べるドングリ、貯めるドングリの話 |
10 |
トンビのため“狩り”に明け暮れた夏の話 |
11 |
口の中で子を育て雌から雄に性転換した魚の話 |
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