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TUESレポート

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「SDGs地域塾~野生鳥獣との共存を考える~」をオンライン開催しました

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令和3年1月25日(月)、SDGs地域塾(※1)として、「野生鳥獣との共存を考える」をテーマに、若桜町や八頭町、兵庫県美方郡香美町の現場で鳥獣対策を担当する方々を迎え、環境学部からは小林教授、根本教授、山口創講師と本学の学生7名、県や市の行政関係者7名で、Web会議システムを用いた意見交換を行いました。
(※1)環境学部主催の学生と地域住民が地域課題等について意見交換を行う場。

八頭町役場産業観光課 田中 健滋 氏からは、イノシシやサル、シカなどの野生鳥獣の侵入防止の柵の設置や集落の方たちの追い払い対策、捕獲奨励金などの対策や駆除の担い手支援などの町の取り組みが紹介されました。
次に、若桜町役場農林建設課 林 辰彦 氏からは、シカ食害による下層植生の衰退など森林生態系への深刻な被害がある中、獣肉解体処理施設「わかさ29工房」整備の経緯や美味しいシカ肉を提供するための施設への捕獲個体持ち込みのルールを作るなど、「ジビエの町わかさ」として地域活性化へつなげる若桜町の取り組みを紹介していただきました。
最後に兵庫県の香美町役場農林水産課 大塚 湧太 氏からは、サル監視員の設置やGPSを用いたサルの個体群管理や、なかでも香美町考案の「おじろ用心棒」といったサルに有効な通電式防護柵の対策、被害を受けた農家の声や地域の課題などを紹介していただきました。
これらを受けて、教員や学生からはわかさ29工房の収益確保についての質問や集落だけで行ってきた追い払いを地域外の人たちも巻き込んだイベントとして地域活性化につなげるアイデアなどの提案や意見がありました。また、参加していただいた県や市の獣害対策の担当者からは、駆除の担い手支援や防護柵設置の補助金など行政の取り組みをご紹介いただきました。
鳥獣被害により中山間地域での生活や農林業が厳しくなり、共存より捕獲駆除に目が向いている中、今回の環境学部のSDGs地域塾は、中山間地域社会の抱える難しい課題ではありましたが、SDGsの17のゴールの一つ「15.陸の豊かさを守ろう」について考える有意義な機会となりました。
今後も本学は大学としてSDGsに積極的に取り組んでいきます。

 

意見交換の様子意見交換の様子