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TUESレポート

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研究紹介:世界初、砂に潜る小さなイシサンゴの発見 -海洋生物学における新たな知見-(徳田講師)

本学環境学部の徳田悠希講師は、千徳明日香博士(京都大学瀬戸臨海実験所)、江﨑洋一教授(大阪市立大学大学院)との共同研究で、日本近海の海底の砂中に自ら潜り生活する、移動するイシサンゴ(タマサンゴ)を発見しました(図1参照)。従来、イシサンゴ類でこのような生活様式は知られておらず、世界で初めての発見です。さらに、このような砂中に潜って生活するサンゴは、約8000万年前の後期白亜紀にすでに地球上に登場していたことも明らかとなりました。
この研究は、Nature Publishing Groupが発行する「Scientific Reports」において、論文が掲載されています。

研究内容(日本語版と英語版)はこちらから。(PDF:490KB)

 

図1:砂を掘って潜るタマサンゴ図1:砂を掘って潜るタマサンゴ

 


 

【研究論文名】
Burrowing hard corals occurring on the sea floor since 80 million years ago(8000万年前から海底に出現していた潜行性イシサンゴ)


【著者】
千徳明日香(京都大学瀬戸臨海実験所)、 徳田悠希(公立鳥取環境大学・鳥取県立博物館)、 江﨑洋一(大阪市立大学大学院)


【公表雑誌】
Scientific Reports(Nature Publishing Group)
発表論文URL:http://www.nature.com/articles/srep24355(外部サイトにリンクしています)


【研究成果のポイント】
○タマサンゴの飼育実験を行い、世界で初めて、砂の中に自ら潜り生活するイシサンゴを発見し、沖合の砂泥底に生息するイシサンゴの生活様式が明らかとなった。
○砂中への潜行、姿勢の回復、砂による埋没からの脱出は、軟体部(ポリプ)が膨張収縮を繰り返すことで生じる。
○このような砂の中へ潜るイシサンゴは、白亜紀後期の約8000万年前にすでに地球上に登場し、その後、多様化した。